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【難聴】

Q: 昨日急に右耳の聞こえが病院にいったところ突発性難聴といわれました。ステロイドを服用して様子みることになりましたが今の所聴力改善してません。どのくらいの期間かかるのでしょうか?

A:
突発性難聴は読んで字のごとく急に聞こえの悪くなる病気です。
原因は今の所わかっていませんがおたふくの原因になるムンプスウイルス、もしくは他のウイルスなどの感染による説や耳への血管が詰まって血流が途絶えるために内耳が障害される説などが有力とされています。
ですからテロイドなどで炎症を抑え、他に循環を良くする薬を使ったり高圧酸素治療で内耳に酸素を補給したり様々な治療を行います。
それでも治療経過は必ずしも良くはありません。
3分の1は治りますが3分の1は一部の改善にとどまり、残る3分の1は全く治りません。
また難聴は自然に回復することはなく通常一生変わらず続きます。
難聴になってすぐできるだけ早期に治療を開始することが重要で1か月を過ぎると改善は難しくなります。
場合によっては入院して治療を行うこともありますので、次回受診時に相談され入院治療も考えてみてはいかがでしょうか?


Q:ヘッドホンで長時間音楽を聴いていますが大丈夫でしょうか?

A:
日常的にヘッドホンで聞く人は難聴になりやすくなります。
個人差はありますが、ヘッドホンやイヤホンなどの使用による大きな音で耳の内耳が傷つき、難聴を起こすと言われております。
一般的に難聴は日常会話に含まれない高音部から起こることが多く気づきにくいため大きな音を聞き続け、結果として中から低音域まで難聴になってくると初めて難聴を自覚します。
しかし、この頃になるとすでに治療による回復は期待できなくなります。
できるだけ早期に難聴に気づき進行しないようにすることが重要です。
日常的に騒音下で仕事をする方、もしくは音楽を聴く方は定期的に耳の聞こえをチェックしておくことが大切で、難聴になってもすぐであれば治療により回復する可能性があります。
基本的に85dB以上の音を聞き続けると難聴のリスクが高まると言われており、例えば90dBの音は工場などの騒音や犬の吠える音位になります。
このくらいの音を2時間半にわたり聞き続けると難聴になるリスクが高まります。
100dBの音は電車の高架下にいるときと同じで、このような騒音化で音楽を聴こうとするとそれ以上の音を聞くことになり、15分で難聴になる可能性が高まります。
騒音下でヘッドホンを使うときは遮音性の高いヘッドホンを使用し、できるだけ適度に耳を休ませて長時間聞くのはできるだけやめましょう。


Q:2歳の子供ですが、呼びかけに反応がないような気がします。生後すぐの検査では問題ないと言われましたが病院に検査に行った方がいいでしょうか?

A:
生後すぐには脳波による聴力検査を行い、生まれつきの難聴をスクリーニングすることが一般化しております。
しかし、生後の検査で問題なくてもその後に徐々に難聴が進行する病気もあります。
また、おたふくなどでも難聴が起こることが知られており、ほっぺたが腫れずにおたふくにかかったことに気づかず、難聴になって気づかないケースもあると言われております。
難聴に気づかずにいると言語の発達に遅れを生じ、1-3-6ルールと言って、生後1か月までに聴覚スクリーニングを施行し、生後3か月までに精密聴力検査を行い、生後6か月までに補聴器などで聴力を改善させなくてはならないと言われております。
ですから、できるだけ早く検査をすることが重要です。
病院に受診してみてください。


Q:おたふくで難聴になることがあると新聞で見ました。本当ですか?

A:
おたふくは正式にはムンプスというウイルスによる感染で起こる病気です。
一般的は、耳の下が腫れて熱が出る病気として知られており、あまり恐ろしい病気であるとは考えていない方も多いと思います。
しかし、このウイルスは様々な合併症を起こすことで知られており、もっとも重大なのは髄膜炎で命にかかわる重篤なものです。
またそのほかにも卵巣・精巣の炎症や難聴もあります。
問題なのは、この難聴になると残念ながら治療法がないことです。
従来は非常にまれな合併症と思われておりましたが、最近の研究では数百人に一人は起こることが分かってきました。
対策としては予防接種しかありません。
まだおたふくにかかっていないようでしたら、是非予防接種をお勧めいたします。


Q:父が最近読んでも返事をしなかったり、とんちんかんな返事をすることが多くなってきております。もしかすると認知症かもしれませんがテレビの音量も大きいので難聴が進んできていると思い、補聴器をつけるよう勧めましたが本人はする気がないと言っております。どうしたらいいでしょうか?

A:
認知症の35%は修正可能な9つの危険因子に起因するといわれておりそのうち最も重要な危険因子として難聴があげられております。ですからまずは難聴がどの程度なのか聴力検査が必要です。耳垢等が詰まっていたり、中耳炎などをおこして聞こえが悪くなっている場合もありますので耳鼻咽喉科に受診してください。難聴が進んで聞こえが悪くなった場合には補聴器をお勧めいたします。補聴器を付けて聞こえが良くなると認知症の予防になります。補聴器を付けないで我慢していると音の刺激が足りないために脳の言葉を理解する能力が衰えてしまいます。そのようになってから補聴器をつけても音が聞こえていても言葉の理解力が悪くなり会話ができなくなる場合があります。補聴器も万能ではありませんので多くの人が集まる所や騒音の多い場所では聞き取りが悪くなります。最近では騒音を低くしたり、テレビの音を直接補聴器が感知して音を大きくする機能などがついた補聴器も出てきました。ご本人の特に補聴器を使いたい場面での試聴が有効です。是非買う前に一度試聴をしていただける補聴器店で購入して下さい。


Q:最近会社の検診で難聴があると言われ耳鼻咽喉科で検査をするようにいわれました。聞こえが悪いような自覚症状はなく時々キーンという耳鳴りがするくらいです。工場でうるさい音を聞いてますがそのせいで難聴になってきたのでしょうか?

A:
騒音を聞いているとのことで考えられるのは騒音性難聴です。長期間騒音を聞くと耳の音を感じ取る内耳が破壊され難聴がおこります。たいてい50才くらいから耳鳴りも起こり始め加齢とともに徐々に悪化します。治療法はなく難聴が進めば補聴器をつけることになりますので日頃から騒音を避けるように耳栓を装着しなければなりません。若いうちは軽い耳鳴り程度なので耳栓もしないで仕事をすることもあるかもしれませんが、耳鳴りが悪化して病院に受診してもなおりませんので予防が大事になります。難聴も最初は高音域の悪化のみで日常会話にはあまり支障がなく難聴に気づきにくいのですが進行すると会話が不自由になり補聴器しか有効な手段がなくなります。早めに聴力検査をして聞こえの状態も確認してください。


Q:親が難聴で補聴器をしております。今のところ自分はまだ聞こえは大丈夫ですが難聴が進まないように注意することなどありますでしょうか ?

A:

高齢になると多かれ少なかれ難聴になる方が多くなりますが個人差があります。もちろん遺伝性の要因もあるのですが生活習慣も大きく関係しております。適度な運動や禁煙、規則正しい睡眠、栄養のバランスの取れた食事など老化の原因となる酸化ストレスを減らすことが大事です。また大音量でテレビをみたり、騒音などが多い職場で耳栓をしないで仕事をしたり、静かな場所で耳を休める時間が作れないなどがあると内耳の酸化ストレスが増大し難聴が進行します。抗酸化剤と言われるポリフェノールやコエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンE、β―カロチンなどを含む食材を多くとるのも難聴の予防によいでしょう。難聴が進行してしまってからでは聴力が良くなることはほぼありませんので、予防が大事です。今すぐにでも始めてみてはいかがでしょうか


【補聴器】

Q:耳の聞こえが悪くなり補聴器の購入を考えております。補聴器を購入するときはお店で買ったほうがよいのか、病院で調べてもらってからのほうが購入するのがよいのかわかりません。教えて下さい。

A:
まず耳の聞こえが悪くなった原因を調べる必要があります。そのためには耳鼻咽喉科に受診し耳の病気がないかを診てもらう必要があります。よくあるのは耳垢が詰まっている場合で、掃除をするだけで聞こえがよくなり補聴器が必要にならなくなることがたびたびあります。 老人性難聴で補聴器が必要な場合も、非常に高度の難聴の場合は身体障害者の適応になる場合もあり、申請には耳鼻咽喉科の医師の診断書が必要です。やはり一度は耳鼻咽喉科で診察を受けたうえでアドバイスを受けるとよいと思います。


Q:補聴器を考えておりますが通信販売で売っているものではダメですか?

A:
まずは難聴の原因を調べることが大切です。
多くは加齢による老人性難聴ですが時々耳垢が詰まっていたり中耳炎などで聞こえが悪くなっている場合がありますので耳鼻咽喉科できちんと診察を受けましょう。
その結果、老人性難聴と診断されてから補聴器を検討するようにして下さい。
皆さんコンタクトレンズなどを作るときにはきちんと眼科に受診しますが、補聴器もコンタクトレンズと同じ医療用具です。きちんと難聴の程度を検査してから補聴器を調整します。
通信販売などで売っているものはただ単に音を大きくするためのものが多く、あまりうるさい場合はかえって難聴が進む恐れがありお勧めしません。
また高度の難聴の方は身体障害者に該当する場合もあり、耳鼻咽喉科の医師の診断書で補聴器を買う際の補助がでる制度もあります。
一度耳鼻咽喉科に受診されてはいかがでしょうか。


Q:最近聞こえが悪くなり病院で補聴器を勧められましたが格好も悪いしまだ我慢しようと思います。大体何歳くらいから補聴器をする必要がありますか?

A:
高齢者の難聴は基本的に徐々に悪化します。
難聴は個人差がありますので一概に年齢だけで補聴器を勧めているわけではありません。
ただ一般的に年齢の若い方の方が補聴器に慣れて使用されることが多いと言われております。
難聴を長期間放置すると脳の動きが悪くなり言葉を理解することができなくなってきて、さらにすすむと認知症の状態になります。
そうなる前に補聴器をつけなければ間に合いません。
また補聴器をつけて会話をしたりテレビなどを見たりすることで脳の動きを活発化し認知症の予防にもなります。
老眼の場合は皆さん老眼鏡を使用する頻度は高いのですが難聴で補聴器は使わない方が多いようです。
これは本人が聞こえていなくても困らないことが多いためで、代わりにコミュニケーションを取れない周りの方が迷惑してしまいます。
ですからある程度難聴が進んだ場合はあまり我慢せずに補聴器をつけることをお勧めいたします。


Q:先日補聴器を買ったのですが人ごみなどに行くとうるさいのであまりつけていません。結構値段の高い補聴器でしたが性能が悪いのでしょうか?

A:
人間の体は長期間使わないでいると衰えるものです。
聴覚もしかりで難聴の状態が長く続くと脳が刺激されない状態が続き、結果として音を認識する能力が衰えてしまい、補聴器をしても言葉の理解ができなくなったりします。
補聴器を初めてつけると今までとは違う音が入ってきてうるさく感じたりすることもありますが常時付けていると脳の方が慣れてきて苦痛に感じなくなるものです。
補聴器の調整で難しいのは雑音が気になるために十分に音を増幅したがらない方が多く結果として聞こえないというケースが多々見られることです。
できるだけ難聴が進む前に補聴器をつけると聴覚に関係している脳の部位が衰える前に新しい音に順応しますので補聴器をうまく活用できるようになります。
難聴を放置することにより脳の衰えがすすみ、結果としてひきこもりやうつ状態になったりする場合もあります。
また難聴を放置すると自動車のクラクションに気づかず事故に巻き込まれたり、電話の呼び出し音、病院などに受診した場合に説明が聞き取れないなど様々な面で不都合が生じます。
また他人には聴力の障害はわかりにくいため無視しているように受けとめられたりすることもあり人間関係も悪くなったりすることもあります。
認知症の方の場合は受け答えがおかしい原因が難聴のためなのか、あるいは認知症によるものかは見ただけではなかなかわかりません。
是非もう一度補聴器の調整をしてみてください。


Q:以前から難聴で職場の健診で指摘されていましたが難聴がどの程度すすんだら補聴器をしたら良いでしょうか?

A:
補聴器はまだ難聴がひどく無い軽めの時期につけ始めたほうが良いとされております。聞こえない状態が長く続くと音を認識する脳の機能が衰えてしまうからです。また難聴が進んでから補聴器で聞き取りを改善するには十分に大きな音にしなくてはなりませんが最初から音が大きいとうるさく感じてしまい補聴器が使えないということになってしまいます。難聴の方の脳は静かな環境に慣れているため急に大きな音がするとびっくりして拒否反応を起こしてしまいます。ある程度聞こえる音から少しずつ音を大きくして出来るだけ長く補聴器を装用し脳が音に慣れてくると不快感なく装用できるようになりますので早めの装用をお勧め致します。また難聴が進むと社会的に孤立して会話も少なくなり認知症を発症する危険性が高くなります。高齢者では認知症の予防と進行を抑える意味でも補聴器の早めの装用が良いと思います。
病院に受診する際には必ず現在服用している、または最近まで服用したお薬の内容がかかれた説明書や手帳を持参されることをおすすめいたします。


Q:以前より難聴で補聴器を家族に勧められておりましたが、まだ早いと思い断っていました。最近物忘れがひどく病院に行ったところ軽度認知障害と言われ認知症になる可能性があるかもしれないと言われました。何とか認知症になるのを防ぐ方法はないでしょうか?

A:
認知症の35%は修正可能な9つの危険因子に起因するといわれておりそのうち最も重要な危険因子として難聴があげられております。
アメリカの66歳以上の11万人以上を対象とした大規模研究では難聴の方で認知症発症前に補聴器をした人としなかった人を比較して認知症のリスクが減るばかりでなく不安症や転倒による負傷の頻度も減少したことが報告されております。
また日本人の研究で難聴のある方に補聴器を装用前と装用して6か月後の認知機能検査を行ったところ認知機能の向上がみられたとの報告もあり、できるだけ早期に認知機能の低下が軽度のうちに補聴器を装用することをお勧めいたします。
また補聴器を付けないで難聴を我慢していると音の刺激が足りないために脳の言葉を理解する能力が衰えてしまいます。
そのようになってから補聴器をつけても音が聞こえていても言葉の理解力が悪くなり会話ができなくなる場合があります。
コロナ禍でマスクをして会話をする場面が多くなりさらにソーシャルディスタンスなどで相手との距離も空けて会話するなど難聴の方は以前にも増して聞き取りにくい状況になっております。
相手の方が大きな声で話したりマスクを外して声をかけられれば感染のリスクが増える事にもなります。
そのようなリスクを減らす意味でも補聴器を考えてみてはいかがでしょうか?


Q:補聴器購入には健康保険がきくのですか?値段も高いし面倒だし適当に聞こえるふりしておりますが、ただ時々話が途切れてしまうのが少々気になることがあります。 あまり必要性を感じないのですが周りの家族に補聴器するように言われます。検討したほうが良いのでしょうか?

A:
日本では補聴器購入に対しては健康保険は認められませんが、病院から認定補聴器店に紹介状がある場合は医療費控除が受けられます。また重度の難聴で身体障碍者に該当する場合には補聴器作成に対する補助がでます。日本は超高齢化社会と言われておりますが補聴器所有率はここ数年ずっと14%程度の普及率でイギリスで42%、フランスで34%の普及率といわれ欧米とは大きな差があります。一人暮らしなどでは自分の聞こえに合わせてテレビなどを大きくできますので、家ではあまり困ることはないのですが外出してコミュニケーションをとる際に聞き取れずに相手に迷惑をかけますので外出が億劫になりがちです。また家族と同居している場合には自分の聞こえにあわせてテレビを大きくすると家族にとってはうるさくて耐えられないためけんかになり家族から補聴器を付けるように言われます。ただこのようなケースでは本人はあまり困っていないため補聴器を付けたがりません。コロナで外出する機会が減ってきておりますが病院などで会話する際に医師の説明などが聞き取れない場合などは家族から補聴器をすすめてはいかがでしょうか。


【耳鳴り】

Q:耳鳴りが最近気になるのですが以前補聴器をすると耳鳴りが治るとテレビで放送されていましたが本当ですか?

A:
難聴になると耳から脳への音の信号が減ってきます。脳は音の感度をよくして何とか穴埋めしようと頑張るのが耳鳴りになります。
腕がなくなった人が腕がない部分に痛みを感じることがありこれを幻肢痛と言いますが、鏡をあてて腕があるように脳に働きかけると痛みが和らぐといわれております。
耳においてもある聞こえの周波数が聞こえが悪くなって脳への信号が減っても、補聴器などを使って音の信号を増やしてあげると症状が和らぐのです。
通常は安定剤などの薬を使う場合もありますが、これは脳が音の感度を上げようとしているのを安定剤で抑えてしまい脳を眠らせてしまうことで効果を発揮しているだけで、依存性がありふらつき転倒などを起こすので特に高齢の方ではお勧めいたしません。
耳鳴りは全人口の15%程度の発症率ですべての方が治療が必要なわけではなく、耳の病気で耳鳴りがしている場合や耳鳴りで日常生活に支障がある方が治療の対象となります。
まずは耳鼻咽喉科で聴力検査をして隠れた難聴がないかを調べ治療が必要かどうかを相談してみてください。


Q:以前からあったのですが最近片方の耳鳴りが強くなり夜も眠れません。耳鳴りは治らないと聞いてあきらめておりましたがいかがでしょうか?

A:
耳鳴りの原因として最も多いのはいわゆる加齢による老人性難聴に伴う耳鳴りで両方の耳に耳鳴りが起こることが多くこの場合はなかなか治りません。
しかし若い方の場合の耳鳴りで片方の場合は何らかの耳の病気で耳鳴りが起こっている場合もあるため耳鼻咽喉科で詳しく見てもらうことをお勧めします。
耳鳴りを起こす病気としては簡単に治るものとして耳垢が詰まっている場合、風邪を引いた後によく起こる中耳炎の場合、めまいを伴うことの多いメニエール病や急に聞こえの悪くなる突発性難聴、大きな音を聞いた後に起こる音響外傷、徐々に耳鳴り、難聴が進行する聴神経腫瘍などがあります。
いずれも病院にいって検査と治療をしてもらう必要があるでしょう。
また特に難聴を伴わない耳鳴りについては最近TRT療法がかなりの効果があるといわれ注目されております。
耳鳴りは普通の健常人でも時々おこるものですが日中忙しくしていたり、何かに熱中している場合には耳鳴りを意識しません。
夜寝る前など周りが静かで特になにもしていないときなどに耳鳴りを気にするのです。
そこで耳鳴りを意識しないように逆に耳鳴りを常に聞いている状態にし耳鳴りに慣れ気にならなくなるように訓練するのがこのTRT治療です。
TCIと呼ばれる装置を耳につけて心地よい小さな耳鳴りを聞くこととカウンセリングを行います。
耳鳴りに苦しんでいる方にはお勧めいたします。


Q:最近耳鳴りが大きくなって気になるようになってきました。また以前から少しずつ聞こえも悪くなってきたようです。以前に病院を受診したら耳鳴りは治らないと言われましたが耳鳴りが気になるので何とかしたいのですが薬で治療できますか?

A :
耳鳴りという症状を持っている成人は2割ほどにおよびよく見られる症状ですが、たいていは一過性であったり、次第に耳鳴りに慣れて気が付かなくなる場合が多いため実際に治療を希望される患者さんは多くはありません。
耳鳴りとは実際には音がしていないのに脳が勝手に音がしていると判断してしまう状態です。
普段の生活ではいろいろな音が耳から入りますので意識が外からの音の方に向けられるため自分の耳鳴りの方は意識されず耳鳴りが日中は気にならないものです。
ところが周りが静かで音が少ない場合や、難聴の方で外からの音が入らない方は耳鳴りに意識が傾いてしまうため耳鳴りが気になる状態になります。
したがって耳鳴りの治療は耳鳴りに意識が向かないようにすることになります。
比較的治療に使われるのは精神安定剤といわれるのものですがこれは脳の活動をおさえて耳鳴りを気にしないようにする薬であり症状を抑えるだけの対症療法です。
しかもふらつきなどの副作用もあり高齢者では転倒などの危険もありますので注意が必要です。
それに対して新しい治療として耳鳴りに意識が向かわないように訓練をするTRT治療と呼ばれるものが普及してきました。
これは補聴器のような機械を装着して心地よい音を聞くことにより耳鳴りに意識が向かわないように治療するものです。
また難聴のひどい方は外部の音が聞こえることによって、意識を外の音に向かわせて耳鳴りを治療するのが有効です。
そのため最近ではTRTの器械に補聴器機能の付いた製品も製造されました。
この治療法は1,2年の期間がかかりますが80%の方で耳鳴りがかなり楽になりますので、興味があればTRT治療を行っている耳鼻咽喉科に問い合わせてみてはいかがでしょうか?


Q:以前からあったのですが最近片方の耳鳴りが強くなり夜も眠れません。若いころ鉄工所で働いていたころから聞こえもだんだん悪くなっていました。病院でも耳鳴りは治らないと聞いてあきらめておりましたがやはりいい方法はないのでしょうか?

A:
耳鳴りの原因として最も多いのはいわゆる加齢による老人性難聴に伴う耳鳴りです。
また騒音の多い所で長い間仕事をしていると徐々に高い音から聞こえが悪くなり、やがて両方の耳に耳鳴りが起こります。
これは騒音性難聴という病気でこの場合は難聴も耳鳴りもなかなか治りません。
しかし他の耳の病気で耳鳴りが起こっている場合は治る可能性もあるためまずは耳鼻咽喉科で詳しく見てもらうことをお勧めします。
耳鳴りは普通の健常人でも時々おこるものですが日中忙しくしていたり、何かに熱中している場合には耳鳴りを意識しません。
夜寝る前など周りが静かで特になにもしていないときなどに耳鳴りを気にすることが多いのです。
特に難聴の方は外部の音が入りにくくなり逆に自分の耳鳴りが強調され耳鳴りが意識されやすくなります。
ですから補聴器などをつけると外部の音が入り耳鳴りが意識しにくくなります。
また耳鳴りを意識しないように逆に耳鳴りを常に聞いている状態にし耳鳴りに慣れるように訓練するTRT治療が最近行われております。
TCIと呼ばれる装置を耳につけて心地よい小さな耳鳴りを長時間聞くことで治療を行います。
最近では難聴の患者さん用として補聴器機能と耳鳴り治療器が一緒になった機種も発売されております。
耳鳴りに苦しんでいる方にはお勧めいたします。



Q:大分前から耳鳴りがしているのですがストレスが耳鳴りの原因として多いのでしょうか ?

A:
耳鳴りは正常の方もなっていることがあり、全く音のない無響室などにいると気づきます。
耳鳴りは多くの場合は自分の耳から発せられる音ですが周りの音が入ると音に紛れて聞こえないのですが入らず難聴の方は周りの音が入らないために耳鳴りのみが聞こえてきてしまうのです。
多くの難聴の病気も耳鳴りが合併しますが治療により聞こえが改善すると耳鳴りもなくなります。
老人性難聴、職業性の騒音による難聴は残念ながら薬では治りませんので耳鳴りも治らないと言われてしまうのです。
しかし補聴器などを使って聞こえが良くなると外部から音が沢山聞こえるようになり耳鳴りも楽になります。
難聴のない方で耳鳴りが気になっている場合は耳鳴りから注意をそらすために気にならない程度の音を聞かせる治療器を使い治療します。
またラジオやテレビなどを見ることで耳鳴りから注意をそらすことにより改善します。
また耳鳴りはありふれた症状ですので普通の方でもあることです。
難聴がなく耳鳴りが時々起こる程度であれば様子を見ても良いでしょう。
耳鳴りで困っている方は逆に諦めたりせず治療してみて下さい。


Q:耳鳴りが気になって寝れない事があるのですが病院に行くと耳鳴りを止める薬はありますか?

A:
耳鳴りの多くは難聴に伴って起こる合併症です。難聴が進むと周りの音が聞こえず脳への音の刺激が減ってしまい代わりに脳が音の感度を高めた結果耳鳴が気になるようになります。ですから周りから音が沢山脳に入ると耳鳴りは周りの音の陰に隠れて気にならなくなります。ラジオを聞いたり環境音などを聞いたりしながら寝ると耳鳴りは気にならなくなると言われております。また薬に関しては音に過敏になっている脳の活動を押さえる安定剤などを使いますが日中に服用すると眠気を生じますので車の運転や仕事などに影響が出る可能性がありさらに薬物依存性が起こり薬をやめられなくなることがあるためあまりお勧めしません。どうしても耳鳴りが気になる方には耳鳴りから注意を外すための仕事、趣味などを積極的に行い耳鳴りから注意が外せるようになると耳鳴りが楽になることを体験してもらう認知行動療法なども行います。特に難聴が進んだ方は補聴器などをお勧めし周囲の環境音がよく聞こえるようになると耳鳴りが音に紛れるようになり耳鳴りが楽になると言われております。薬ばかりに頼るのではなく様々な対策が重要ですので一度病院で耳の検査をうけアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか


【耳垢】

Q:耳掃除はどのくらいの間隔でおこなったらよいのでしょうか?

A:
耳垢は体にとってはいらない排泄物のように皆さん思われているかもしれませんが、実は耳垢は抗菌成分が含まれており細菌などが入らないようにブロックしますし、粘液成分が含まれていますので耳の奥に異物が入らないようにする働きがあります。
こうした耳垢を完全に除去すると逆に炎症を起こしやすくなり耳だれの原因になったりするのです。
また耳垢は外耳の入口付近で産生され外の方に移動してきますので無理にかき出す必要もないのですが、太い綿棒などを使って掃除をするとかえって耳垢を奥に押し込んでしまい取れなくしている方もよく見かけます。
ですから耳掃除はせいぜい月に1,2回で耳かきなどを使い外側にかき出すようにして取ってください。
強くやりすぎると炎症を起こし痛みや耳だれが出ますので注意してください。
また小さなお子さんやペットがいる場合は不意に抱きついて来た時に耳かきが奥に入り鼓膜を傷つける恐れがありますので注意して下さい。
また耳垢が貯まりやすい方は実は外耳の炎症による耳だれが固まって耳垢のようになる場合があります。
また外耳道が傷つくと皮膚の移動速度が遅くなりさらに耳垢がたまりやすくなり、掃除を繰り返す悪循環に陥ります。
そのような方は一度耳鼻咽喉科で治療を受けてください。


Q:子供の耳垢がなかなかとれません。病院に受診してもよいでしょうか?

A:
耳垢は乾燥している耳垢と湿った耳垢で俗にアメミミ(またはネコミミとも言われます)といわれる耳垢の2種類があります。
実はアメミミは遺伝するといわれており、日本人より欧米人で多いようです。耳垢がたまりやすいのは決して病気ではありませんが、耳垢がたまることによって耳が聞こえなくなったり、がさがさという耳鳴りがしたりします。
また頻回に耳掃除を行う人は外耳に炎症を起こし、耳だれや耳痛を起こしたりします。
耳掃除はやりすぎても、またやらないのもだめということですね。
さて耳垢をみなさんどうやってとっていますか?
私などは家では怖くて家族の耳垢はとれません。
懐中電灯や部屋の明かりでは鼓膜まできちんと見えませんので不安になります。
皆さんもご家庭では無理をせず見える範囲で掃除を行うようにしてください。
また耳垢をとる際には耳かき、綿棒などを使うことが多いと思いますが、耳かきはあまり強く掃除をすると耳の穴である外耳道を傷つけてしまいます。
また綿棒の場合はあまり太いもので奥に入れるとかえって耳垢を鼓膜の方へ押し込んでしまい難聴の原因になったりします。
とりにくい場合は無理をせず耳鼻咽喉科に受診してください
時々綿棒を奥に入れすぎたり、掃除の途中に子供やペットが飛び込んできて耳かきが奥に入りすぎて鼓膜に穴をあける場合がありますので、掃除のときは周りの状況に注意して行ってください。


Q:先日お風呂に入って髪を洗っているときに急に右耳が聞こえなくなりました。慌てて病院に行ったら耳垢が詰まっていて取ってもらったら治りました。耳掃除はどのように行えばいいでしょうか?

A:
耳に水が入ると耳垢がふやけて膨張し完全に耳が詰まって聞こえが悪くなります。
このような経験のある方は病院で掃除してもらう方が無難でしょう。
普通のかさかさの耳垢の方でしたら耳かきを使って掻き出すように行ってください。
綿棒などで行うとかえって耳垢を奥に押し込んで詰まってしまうケースがよくあります。
また耳かきを頻繁に行いすぎて耳の穴が炎症をおこし耳だれが出たり傷ができてかさぶたが詰まったりするケースもみられます。
耳掃除は月に1回程度で、耳の入り口から1cm位までの範囲で行ってください。
また周囲に小さいお子さんやペットなどがいますと不意に抱き着いて来たりした際に耳かきが奥に入り鼓膜に穴が開いてしまう場合もあります。
十分注意して行ってください。


Q:最近耳がごそごそ音がすることがあるのですが病院に行った方がいいでしょうか?

A:
耳からごそごそなどの雑音が聞こえる場合、最も多いのは耳垢が鼓膜に触って音がする場合です。
また髪の毛などが入って音がする場合もあります。
耳垢は耳の穴の入り口付近でしかできませんので、鼓膜のそばに耳垢がたまることは通常あり得ませんが、綿棒などでお掃除をして逆に耳垢を鼓膜の近くに押し込んでしまう場合があります。
耳垢はこまめに掃除しなくても月に1回程度でよろしいです。
また太い綿棒ではなくて耳かきなどでそっと掻き出すように行ってください。
またペットやお子さんなどが急に飛び込んできて耳かきが奥に入り鼓膜を損傷するケースもありますので十分に注意してください。


Q:耳垢がたまりやすくまめに耳掃除を行っていますが、耳垢がたまりやすい体質なのでしょうか?

A:
耳垢は外耳道の入り口から1cmまでの皮膚に付着しますが自然に外側へ移動して出てくるようになっています。
ですからヒト以外で耳掃除をしている動物はおりませんし、難聴になることもありません。
ではどうして耳垢が詰まるかというと綿棒などで耳垢を奥に押し込んで外側に自然に出るのを妨げているからです。
また頻繁に耳掃除をすると皮膚が傷ついて炎症を起こし耳の穴が腫れてしまい出口が狭くなるためさらにたまりやすくなります。
また炎症を起こすと耳だれが出てきますがこれを取ろうとしてさらに耳垂れを増やす悪循環に陥ります。
さらに耳垂れがエスカレートすると耳の中が湿ってきて最後に耳の中にカビが生えてきて猛烈なかゆみとなります 。
一番良い方法は何もしないことです。
もし耳垢がたまりやすいようでしたら外耳道の炎症があるかもしれませんので一度耳鼻咽喉科に受診をお勧めいたします。




【外耳炎】

Q:耳がすぐにかゆくなり綿棒を入れると黄色い耳だれが付いてきます。だんだん痛みも出てきました。中耳炎でしょうか?

A:
耳がかゆくなるとつい綿棒でいじる方が多いと思います。
耳の穴の皮膚は非常に神経が細やかで、わずかな刺激で痛みがでます。いじることによって皮膚に炎症がおきて耳だれが出たりします。
耳だれが刺激になり、またかゆみが強くなり、さらに耳をいじるようになります。この悪循環がおきますとなかなか耳の穴の炎症(これを外耳炎といいます)は良くならないのです。
かゆみの原因としてアレルギーなどが関係していることが多くアレルギーを抑える薬を飲むことによりかゆみが止まり、耳をいじる回数が減って炎症も改善していくことがあります。
一度耳鼻咽喉科で耳の診断を受けたほうがよいでしょう。


Q:いつも耳がかゆくなり先日耳鼻科に受診したところ耳にカビがはえていると言われました。まさか耳の中にカビがいるとは想像できないのですが治療すればきちんと治るのでしょうか?

A:
確かに耳の中にカビがいるというのはショックかもしれませんがヒトの皮膚を始め外界に接する所には真菌と言われるカビが増える可能性があります。
通常耳の中は耳垢などの原因となるアポクリン腺からの分泌物が表面をおおってカビなどから防御しています。
ところが頻回の耳掃除などを行うと分泌物がなくなりまた耳の皮膚も傷ついてバリアのない状態になります。
さらに耳のいじりすぎによって外耳が炎症を起こすと耳だれが起こり皮膚が湿った状態になります。
耳は構造上体表から奥まっていますので空気の流れが悪くカビの繁殖には最適なのです。
一番の原因は耳掃除など耳のいじりすぎです。
きちんと治療をすれば治りますが、耳いじりをすると再発しますので十分注意してください。




【中耳炎】

Q:1歳の子供が頻繁に中耳炎にかかります。保育園で風邪をひきやすいのが原因と言われますが予防法はないのでしょうか?

A:
急性中耳炎は風邪などを引き金として発症し、しばしば反復したり治りにくくなる病気です。
まず中耳炎を含めた感染症のリスク因子として集団保育の問題があげられております。
2歳ころまではお子さんの免疫の力はまだ十分ではなく免疫力のついた年長児では感染症を発症しなくても1歳代のお子さんに細菌が伝播すると感染症を発症します。
その意味で母乳はお子さんの足りない免疫を補充するのに非常に効果が高いと言われております。
また治療に抗生剤を服用しなければなりませんがきちんと服用できていないと抗生剤の効かない耐性菌が増えてしまい中耳炎が治りにくくなる原因の一つとなります。
さらに風邪をひいて鼻水を放置すると中耳炎を起こしやすくなりますので市販の鼻水吸引器具で鼻を吸い取ってあげるのも効果的です。
また父母の喫煙は粘膜の炎症の悪化要因になりますので禁煙してください。
肺炎球菌は中耳炎の一番重要な最近ですがワクチンがありますのできちんと接種してください。
このような対策を講じても中耳炎を繰り返す場合は正常な免疫の力があるかどうか小児科などで検査をうけてみてはいかがでしょうか?


Q:子供が中耳炎で耳鼻科に通院中ですがなかなか治りません。上手に鼻をかめないようで鼻をすすってばかりいるので治らないと言われました。鼻を上手にかむように教えるにはどうしたらよいでしょうか?

A:
中耳炎の原因として多いのは風邪や副鼻腔炎で鼻水が多くなり、うまく鼻をかむことが出来ずに鼻をすすったりすると耳と鼻をつなぐ耳管から中耳に鼻水が入り込んで感染を起こしてしまいます。
ですから、鼻を上手にかむことは中耳炎の治療に非常に重要です。
お子さんは鼻から息を出して鼻をかむことが出来ないことが多いので、まず鼻から息を吐き出す練習が必要です。
鼻をかむトレーニングの小道具として「はなかむぞう」などの練習器具も販売されておりますので購入して練習してみてはいかがでしょうか?


Q:4歳の子供が最近聞こえが悪いのか返事をしません。耳を痛がるわけではないのですが、しきりに耳をいじります。耳垢でもつまったのでしょうか?

A:
子供の中耳炎には痛みや発熱などが起きる急性中耳炎を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし痛みがなくても難聴を起こす滲出性中耳炎という病気があり、中耳に液がたまり長期間続きます。
通常は中耳の液は鼻と耳をつなぐ耳管という管を通じて徐々に排泄されていきますが、耳管の出口に炎症を起こして粘膜が腫れて耳管がつまり、中耳の液は長期間残存します。
子供は自分では特に症状は訴えませんが、耳がつまった感じになり、しきりに耳をいじったり、テレビなどを見るときに音を大きくしたり、テレビに近づいて見たりする場合があります。
よく注意しないと気づきにくいため、中耳炎に気づかずに放置され、大きくなって学校検診などで発見される場合もあります。
特に小さいお子さんでは言葉の習得に影響を与えることもありますので、一度耳鼻咽喉科で耳の診察を受けられた方がよいでしょう。


Q:1歳5か月の男の子が鼻を出し、寝ると鼻がつまり、高熱を出して病院に行ったら中耳炎と言われました。1か月に一度は専門の耳鼻科にかかったほうがよいでしょうか?保育園を休ませるのが多いと大変です。

A:
中耳炎は中耳に細菌が侵入して起こりますが、多くは風邪が原因となります。
1歳前後のお子さんはまだ細菌と戦う免疫力が十分ではありませんので、簡単に中耳炎になり、なおかつ中耳炎が治りにくい特徴があります。ただ、3歳くらいになって免疫力がついてくれば、徐々に中耳炎にかからなくなります。
保育園などに入った直後は、年長のお子さんから様々な細菌をもらいやすく、また抗生剤の効きにくい耐性菌をもらうリスクもあります。
できるだけ、2歳未満のお子さんは保育園の入園はお勧めしませんが、無理であればお子さんが成長し、免疫力が発達するまで根気よく通院していただくしかありません。
通常、中耳炎で用いられる抗生物質は残念ながらあまり味はよくないものが多く、お子さんに飲ませるのが大変かもしれません。
また、効果を確認しながら投与しますので、週に1・2回の通院が必要です。
中途半端な抗生物質の服用はかえって耐性菌を増やす結果になります。
ある程度菌を予想して抗生物質を出しておりますので、我慢して飲ませて下さい。
急性中耳炎の主な症状は耳の痛み・発熱・難聴などです。
最初は非常に強い痛みが出ますので、すぐに病院を受診しますが、抗生物質を服用すると痛みが改善しますので、お子さんの場合は特に症状を訴えなくなります。
しかし、中耳に菌の死骸の浸出液が残存し、難聴が続き、この状態を放置すると滲出性中耳炎に移行し、慢性中耳炎に進行すると難聴の後遺症が残ります。
そのため、病院で治ったと言われるまできちんと治療する必要があります。
年齢によっても治り方に差が出ますが、1歳ですとさらに数カ月かかる場合もありますので根気よく通院して下さい。


Q:1歳の子供が中耳炎になり抗生物質を出されましたが、おいしくないのか中々飲んでくれません。また、保育園に行っているのでお昼は飲めません。いつも風邪のときに出される抗生物質はおいしいのか飲んでくれるのでそちらの抗生剤ではだめなのでしょうか?

A:
抗生物質は中耳炎などの細菌による感染症で使われるお薬です。同じ抗生剤を続けているとそのお薬に対して効果の出なくなる耐性菌とよばれる菌が増加します。また通常中耳炎で用いられる抗生物質は残念ながらあまり味はよくないものが多く、お子さんに飲ませるのが大変かもしれません。しかし中途半端な抗生物質の投与はかえって耐性菌を増やす結果になるため工夫しながら飲ませてください。1日3回のお薬が多いのですが回数は厳守してください。抗生物質の飲む回数を減らすとまた耐性菌の増える原因となるのです。また味がいい抗生剤ばかりを繰り返し飲んでいるとやはり耐性菌が出てきます。ある程度ばい菌を予想して抗生物質を出しておりますので、我慢して飲ませてください。実はこれだけ医学が進歩しても残念ながら最近新しい抗生物質が開発しにくい状況が続いております。細菌は地球上で人間よりはるか以前より生きながらえており、遺伝子変異を繰り返しながら外敵に対して生きながらえるすべを持っています。我々が抗生物質を次々に出してもさらにそれに打ち勝って強い菌が登場してしまう現実があります。むしろ感染症に対しては免疫力をつけて細菌感染に打ち勝つ防御が重要でありそのためには予防接種が必要です。最近では中耳炎の原因として最も重要な肺炎球菌に対するワクチンも出ております。是非お子さんにうけさせてください。

 


Q:時々耳に水がたまり病院で中耳炎と言われ鼓膜を切って水を抜いたりしています。薬ももらって飲んだりしていますが風邪を引いた後や飛行機に乗った後等もよく中耳炎になってしまいます。何か予防法などありますでしょうか?

A:
耳と鼻の奥とをつなぐ耳管(じかん)という管が詰まり気味になると中耳に液が湧き出てきて液がたまり聞こえが悪くなる滲出性(しんしゅつせい)中耳炎になります。耳管の炎症が原因で風邪などの後におこります。また飛行機などに乗った際に唾をのんだりしたときに耳管が一瞬開いて耳の気圧の調整をする役割もありますが耳管が詰まり気味になると気圧の調整ができず中耳の気圧が下がったままで中耳炎になる場合もあります。このような耳管の障害に対しては一時的に耳管の出口を薬を使って広げたり、耳管の出口から空気を耳に送って耳管を広げる方法もあります。耳管の通気治療は昔は病院に通って医師が鼻に金属製のカテーテルを耳管の出口に入れて行っておりましたが最近はオトベントという器具を使って自分で空気を通すことができます。飛行機を降りた後に耳の聞こえが悪い時などに効果的です。鼻をつまんでいきんで耳管に空気を通す方もおりますが無理に力を入れすぎると内耳に穴が開いてめまいや難聴を引き起こすことがありますので安全な医療器具を使ってください。


Q:飛行機に乗ると毎回耳の奥と耳の下がギューツとなる感じでとにかく痛くなります。我慢ができなくなるほどの痛みです。これまでに痛みを解消するのに良いとされる飴をなめる、唾を飲み込む、耳栓をするなどを試してみましたが効果はありませんでした。これでは旅行など楽しめません。耳が痛くならない方法はありませんか?

A:
症状からは耳管狭窄症が疑われます。耳管は耳と鼻の奥をつないでいる管で普段は閉じておりますが唾などを飲むときに一瞬開きます。鼓膜の奥の中耳と外気圧が等しくなるように調整するのが主な役割です。耳管が詰まり開こえにくくなるのが耳管狭窄症で気圧の変化に適応できず中耳と外気圧に差ができて鼓膜が引っ張られ痛みを生じます。飛行機搭乗や車で峠を越えるとき、ダイビングなどで海に潜る時など耳管狭窄症がある方は注意が必要です。耳管を通す方法はおっしゃる通り唾をのむなどが有効ですが耳管狭窄がひどい場合には解消しない場合もあります。その場合は鼻から粘膜の腫れをひかせるお薬を点鼻して耳管の開口部を広げる方法や風船を用いた自己通気法、最も確実なのは飛行機などに搭乗する前に鼓膜に小さな穴をあける手術を行うことです。どの方法を選択するかは病院受診して相談してみてはいかがでしょうか


【耳のかゆみ】

Q:耳がかゆくて我慢できずいじってしまいます。かゆみ止めの軟膏を薬局で買いましたが効果ありません。最近では耳の痛みも出てきております。病院受診したほうがいいでしょうか?

A:
耳がかゆくなると耳をいじってしまいますが、いじることによりさらに耳の炎症が悪化してかゆみが増大し悪循環に陥ります。
そして皮膚の炎症が悪化すると皮膚の抵抗力も障害されて感染が起きやすくなり、耳だれがでてさらにかゆみが増悪します。
さらに耳だれで耳の中が湿った状態が続くとカビが生えてきて、さらにかゆみがひどくなります。
このようにかゆみがどんどん強くなり我慢できずに病院を受診することになるのです。
かゆみの一番の原因としてはアレルギーなどが考えられるためアレルギーの薬の内服を継続することによりかゆみが収まり耳をいじることも少なくなって改善に向かいます。
まずは病院受診してみてください。
耳をいじるのは百害あって一利なしと思ってください。


Q:1か月程前に耳がかゆくていじったところ耳漏が出て耳鼻科に行きました。耳のいじりすぎとのことでステロイドの軟膏をもらい塗っておりましたが、最初は効いていたのですが徐々に効果がなくなり、量を多めに塗ったところ逆にかゆみが強くなってきました。ステロイド軟膏が弱いのでしょうか?

A:
耳のいじりすぎで外耳道に湿疹が出来て耳漏が出ることがあります。
出来るだけ耳はいじりすぎないことが大事ですが、湿疹に対してはステロイド軟膏がよく使われます。
外耳道に塗るステロイド軟膏の量はほんの少しで十分なのですが、時に多めに塗りすぎたり、長期間にわたり頻回に塗ると逆に外耳道にカビが生えてくることがあります。
このカビにより逆に耳のかゆみが強くなり、ステロイドを塗ることにより逆にカビの増殖が促進される結果となります。
この場合は耳の洗浄やカビに対するお薬が必要になりますので耳鼻咽喉科への受診が必要です。
耳のかゆみの原因としてアレルギーが関与している場合が多いので、この場合はアレルギーのお薬の内服が有効です。
まずは耳鼻咽喉科の受診をお勧めいたします。