蓄膿(ちくのう)

:私の子供が先日蓄膿と診断されました。蓄膿って治るのですか?
A.蓄膿は正式には副鼻腔炎と呼びますが、鼻の周囲に洞穴の様な空洞があってそこを副鼻腔と呼びますが、
副鼻腔に炎症が起こる病気です。
一番多い副鼻腔炎は風邪などを契機に鼻に炎症を起こしますが、最初は急性副鼻腔炎の状態で、この状態で鼻の異変に気づいてきちんと耳鼻咽喉科で適切に治療を行えば大半は1ヶ月から3ヶ月程度で完治します。
ところが、鼻の異変を風邪と勘違いして長い間放置したり、蓄膿は治らないものだと自己判断し、
治療を怠って慢性の副鼻腔炎に進行すると簡単には治らなくなります。
また、細菌が原因の副鼻腔炎ばかりではなく、喘息などのアレルギーと関連した副鼻腔炎や、虫歯が原因のもの、
かびが原因のものなど特殊なものも簡単には治りません。
こういった簡単には治らない副鼻腔炎に対しては現在内視鏡による手術が盛んに行われており治療成績も良好です。
風邪が治っても2週間以上鼻水が続き、頭痛や頬の奥が痛いなどの症状がありましたら
早めに耳鼻咽喉科に受診をおすすめいたします。
:1歳の子供ですが昨年の4月より保育園に入ってから鼻水が続いており病院に通っておりますが、なかなか止まりません蓄膿でしょうか?
A 蓄膿は正式には副鼻腔炎と呼びます。
鼻の周囲に洞穴の様な空洞があってそこを副鼻腔と呼びますが、そこに炎症が起こり汚い膿が溜まる病気です。
1歳ぐらいではまだ、副鼻腔は十分できていないので副鼻腔炎にはかかりません
ただ、1歳ぐらいの年齢では免疫の力が大人より格段に弱く、また生まれて初めて出会うばい菌が多く
ばい菌に対する免疫もできていないため、治るのには大人より非常に時間がかかります。
また、保育園などに行くようになりますと、感染の危険性が高くなり頻回に風邪にかかりやすくなります。
特に1歳前後の時期に保育園に行くとその傾向が強く、3,4歳くらいになるまで風邪を繰り返します。
風邪がこじれて、中耳炎になどにもかかることが有りますので、お子さんの免疫力がつくまで根気よく治療するようにしましょう
:以前副鼻腔炎と言われしばらく通院していましたがあまり良くならずずっと放置しております。
最近右の頬が痛くなり鼻血もでますが病院に行ったほうがいいですか?
A 以前に副鼻腔炎と言われていて放置していたとのことですが、副鼻腔炎が慢性化すると薬による治療は困難になってきます
慢性の炎症は粘膜に持続的な刺激を与え、時にガンなどが発生することがありますので注意が必要です。
耳鼻科の領域でもタバコやアルコールなどの慢性の刺激によりガンが発生したり、舌が歯などで傷ついてガンが発生することも知られています。
副鼻腔炎も同様で昔は副鼻腔炎の患者さんも多く、未治療で放置する方も多かったため上顎ガンがよく見られました。
最近では副鼻腔炎をきちんと治療される方が増え、また衛生環境もよくなった結果、未治療の副鼻腔炎は減少し上顎ガンも減ってきております。
慢性副鼻腔炎と言われていても痛みが改善しなかったり、特に片方の鼻だけが詰まったり鼻をかむたびに出血するなどの症状が続くようでしたら、腫瘍の可能性もありますので耳鼻咽喉科に受診をおすすめいたします。
:風邪を引いた後に必ず鼻がのどに下がる感じが続いてしまいます。
以前新聞で後鼻漏という症状に似ているのですが副鼻腔炎なのでしょうか。
A 鼻は手前の鼻の入口と後ろはのどにつながっていますが、鼻水がのどに下がる場合を後鼻漏と呼びます。
副鼻腔炎とは鼻の周りにある骨の空洞に炎症を起こしばい菌が貯まる病気で以前はちくのうと呼ばれていました。
副鼻腔の出口が鼻の後ろの方にあるために汚いにおいのついた後鼻漏を起こすのが特徴です。
風邪をひいた後に起こる副鼻腔炎は通常急性副鼻腔炎と呼び、痛みを伴うことが多い病気です。
急性副鼻腔炎の不完全な治療により慢性化すると慢性副鼻腔炎になります。
痛みは少ないのですが後鼻漏、頭の重い感じなどが続き、風邪をひくたびに症状が悪化します。
やはり副鼻腔炎が疑われますので耳鼻咽喉科に受診をお勧めいたします。
 :私は10年位前に耳鼻咽喉科で副鼻腔炎と診断され鼻茸も合併しているといわれました。
しばらく通っていましたがだんだん病院にかかる時間がなくなり放置しております。
以前テレビで副鼻腔炎がひどくなるとがんになる恐れがあると言っていたのですが本当でしょうか。
 A 鼻茸を合併する副鼻腔炎の中で一部に鼻茸に似た腫瘍で乳頭腫(にゅうとうしゅ)というポリープがあります。
良性腫瘍にふくまれますが10%くらいはガンに変化するといわれております。
最初はなかなか分かりにくく鼻茸の一部が悪性化するため組織をとる検査をおこなっても悪性にでないこともあります。
そのため経過観察が必要で特に片方の副鼻腔炎の場合は痛みや出血などが出てきた場合は詳しい内視鏡やCTなどの検査をお勧めいたします。
  :風邪をひくといつも汚い鼻水が続きます。
以前耳鼻咽喉科に受診した際に副鼻腔炎といわれ治療をしたことがあります。副鼻腔炎になりやすいのでしょうか。
 A 副鼻腔炎は風邪などに引き続いて起こる鼻の周りにある副鼻腔炎の炎症です。
副鼻腔は鼻と細い隙間でつながっていますが炎症が起こると隙間が閉塞して副鼻腔の中にばい菌がたまります。
そのため別名で蓄膿症とも呼ばれます。慢性になると粘り気のある鼻水が続きのどの方にも流れていきます。
お薬による治療で症状が改善してもレントゲン写真をとると治っていないこともしばしばあります。
治療を中断すると風邪をひくたびに副鼻腔炎が悪化して鼻水が続くことになります。
一度耳鼻咽喉科に受診され副鼻腔炎の状態をチェックしてもらうといいのではないでしょうか。
(2014年11月)
  :子供のことで教えてください。鼻水が2週間以上続いたので耳鼻咽喉科を受診したところ蓄膿と言われました。
お薬を1週間飲んだら大分良くなったので通院をやめたところ最近聞こえが悪いと言い出しました。
蓄膿のせいで耳の聞こえも悪くなるのでしょうか?
 A 蓄膿は正式には副鼻腔炎を呼ばれる感染症で、鼻の周囲にある副鼻腔に炎症が起きて化膿している病気です。
副鼻腔は鼻とつながっていますが炎症が起きると鼻への出口が詰まってしまい、副鼻腔から細菌が出ることができなくなります。
そのため炎症が長引き、慢性化しやすくなります。
ですから1週間程度で治療を中断すると、そのままだらだらと炎症が継続してしまいます。
鼻と耳は耳管と呼ばれる管でつながっていますが、副鼻腔炎になって粘りのある汚い鼻水が喉の方に流れる際に、鼻をすすったりすることで耳の方に入りやすくなります。
中耳炎と言いますとまず痛みがあるイメージですが、滲出性中耳炎は痛みはないですが難聴と耳がふさがった感じになってしまいます。副鼻腔炎の治療をすることにより、中耳炎も改善していきます。耳鼻咽喉科で耳と鼻の診察を受けてみてください。
:もう何年も耳鼻科に副鼻腔炎で通っております。
3年前に手術を受けましたがここ最近また鼻にポリープが再発して鼻つまりが酷くなってきました。
においも分からず何を食べてもおいしくありません。内科で喘息でもかかっておりそちらもあまり良くない状態です。
以前に副鼻腔炎は薬で治るような話を聞いたのですが私の場合はこれだけ真面目に通院してもなかなか良くならないのですがどうしてでしょうか?
A.副鼻腔炎は大きく2つのタイプに分けられます。
1つは従来蓄膿と呼んでいたもので副鼻腔炎が最近感染を起こして慢性化し膿性の鼻水が持続するもので、このタイプはここ最近マクロライド抗生剤による治療と、内視鏡を用いた手術療法により治療成績も向上し、治りやすい病気になってきました。
一方最近増えているのが鼻ポリープができて嗅覚が障害され重症の喘息を合併する好酸球性副鼻腔炎と呼ばれるタイプです。
実は喘息と非常に関連性が深く、重症の喘息の治療が内服のステロイドが中心だった頃は患者さんは少なかったのですが、
最近吸入ステロイドの普及とともにこの副鼻腔炎が増えてきたと言われております。
ですから一番効果のある治療はステロイドということになるのですが内服ステロイドは長期の服用での副作用の問題もあるため点鼻ステロイドが一般的に用いられます。
しかし効果は限定的で手術をしても再発も多く難治な疾患です。
この7月からは厚生労働省の難病にも新たに指定されました。
いずれにしても決め手となる治療法がないので根気よく現在の治療を続けて下さい。
(2015年10月)
:もともと副鼻腔炎と喘息があり通院しております。
先日怪我をしたため痛み止めを飲んでから急に呼吸が苦しくなり鼻づまり、咳が止まらなくなりました。
においも感じなくなってきたので耳鼻咽喉科に行ったところ鼻茸があるせいではないかと言われました。痛み止めが何か関係あるのでしょうか?
A.鎮痛剤などを服用してから急に喘息のような症状が出た場合考えられるのはアスピリン喘息です。
喘息の1割程度がこの病気だと言われており普通の喘息と違って嗅覚がなくなり、鼻づまりが酷くなり、副鼻腔炎を合併することです。また飲み薬ばかりではなくシップなどでも同様の症状が起こります。
ショックに近い症状になることもありますので十分な注意が必要です。
ポイントは喘息単独の治療ではコントロールが難しく鼻茸の治療が必要となることです。
ステロイドの点鼻薬を用いたり、場合によっては手術が必要になります。
喘息が進んでしまうと手術も困難になりますので軽症のうちにきちんと治療を継続することが重要です。
痛み止めでそのような症状があった場合には一度耳鼻咽喉科で検査を受けてみて下さい。
(2016年8月)