難聴

:子供が学校検診で片方の難聴と言われました。
耳鼻咽喉科で検査したところ片方が全く聞こえないとの事です。
2カ月ほど前におたふくにかかったためといわれ治療法がないと言われました。なんとか治らないでしょうか?
A.おたふく風邪にかかった後に、数百人に1人の割合で難聴が起こると言われております。
片方のことが多いですがまれに急に聞こえが悪くなります。
残念ながらこの難聴に対する治療法はありません。
ですからもっぱらこの難聴に対しては、ワクチンを接種して予防する以外にありません。
おたふくというと軽く考えがちですが、このような耳の難聴以外にも髄膜炎を始め様々な合併症があると言われておりますので予防接種を是非お勧めいたします。
:最近ダイエットをして10㎏痩せたのですが、耳の聞こえがおかしくなり、自分の声が耳に響いて聞こえたり深呼吸をすると呼吸の音も耳に響きます。前かがみになると治るのですが耳がつまっているのでしょうか?
A.耳の中耳とのどをつないでいる耳管は通常は閉じた状態ですが唾を飲んだりした時に一時的に開きます。
飛行機に乗った時に中耳と外界の気圧の差ができた場合はこの耳管が開くことにより気圧の調整をします 耳管の周囲には脂肪組織が囲んでいますが急激な減量をおこなうと、この脂肪が少なくなり耳管の周囲にすきまができて耳管が開いた状態になります。
耳管開放症と呼ばれる病気です。
この病気は自分の声が耳に響いたり、呼吸音が響いたりすること、前かがみの姿勢になると頭の方に血液が移行して耳管の周囲がむくんだ状態になり開いている耳管が閉鎖して症状がとれるという特徴があります。
これとは逆に耳管が閉じたままで唾を飲んでも耳管が開かない病気を耳管狭窄症といいます。
耳管狭窄症の方は急激な気圧の変化に対して中耳の圧の調節ができないために飛行機に乗った時や水中に潜ったときなどに鼓膜に圧がかかり強い痛みが起こります。
いずれの病気も似たような症状が起こりますが耳管の検査をすると区別がつけられます。
耳管開放症に対しては漢方薬や点鼻薬による治療、鼓膜にテープをはる治療などを行いますが、急激な減量に対してのコントロールが重要です。
一度耳鼻科で検査を受けて下さい。
:2週間前に右耳が急に聞こえが悪くなり病院に行ったところ突発性難聴と言われました。
2回ほど通院しましたが良くならず入院を勧められましたが忙しくて入院できない状況です。
このまま通院でも難聴は良くなるのでしょうか?
A.特に原因もなく急に聞こえが悪くなる病気が突発性難聴です。
耳鳴りやめまいなどを伴うこともあり、難聴が高度なほど治りにくく約3割程度の方は治らない病気です。
ステロイドを中心に治療しますが、早期に治療を開始しなければ回復は難しい病気です。
飲み薬で効果のない場合には入院して点滴や高圧酸素治療などを行う場合もあります。
可能な限り十分な治療を早期に行うことが重要で1カ月以上経過するとほぼ回復は困難になり一生聞こえが悪いままになります。
忙しいのはわかりますが入院で安静を保つのも重要ですので出来る限り入院での治療をお勧め致します。
うちの子供がヘッドホンで音楽を聴いているのですが、最近話しかけても反応がなく聞こえが悪いのではないかと心配です。大きな音を聞くと耳に悪いのでしょうか。
A.ロックコンサートや爆発音など非常に大きな音を聞くと耳の内耳と呼ばれる音を電気信号に変換する細胞が障害され難聴が起こります。音響外傷といいますが適切な治療を行えば大半は改善します。
しかし、長期間にわたり騒音を聞くと回復が難しくなります。
時に騒音環境の職場などで勤務をされている方は耳栓などで騒音を防ぐことが重要で、放置するとしばらくたってから徐々に耳鳴りや難聴が進行してきます。お子さんの場合も大きな音で音楽を長時間続けると同じようになるおそれが有ります。
なるべく適切な音量で聞くようにアドバイスしたほうがいいと思います。
:以前に突発性難聴と言われ耳鼻咽喉科に受診し一旦聞こえはもとに戻りましたが、その後徐々に聞こえが悪くなってきています。突発性難聴がだんだん悪化してきているのでしょうか?
A 突発性難聴はある日突然片方の耳の聞こえが悪くなる病気でいまだはっきりと原因がわかっておりません。
時々めまいも合併しますが通常は難聴と耳鳴りなどがおこります。
3分の1の方は治療しても改善せず難聴が残るといわれており、歌手の浜崎あゆみさんもこの病気で難聴が残ってしまったのは有名です。
できるだけ早期に治療を開始しなければならないとされており、1か月以上経過すると治癒率はかなり下がります。
また難聴が進むことはほとんどないと言われており、今回のご相談ケースでは突発性難聴とは考えにくいと思われます。
突発性難聴のような急性の難聴で特に原因もなく進行するものとして注意しなければならないものにメニエール病と聴神経腫瘍があります。
メニエール病は通常めまいが起こる場合が多いのですが、難聴だけの症状の場合もあり徐々に難聴が進行していきます。
また、聴神経腫瘍の場合も初期は難聴の症状のみの場合があるため注意が必要です。
一度耳鼻咽喉科で検査を受けられた方がよいと思います。
:子供がヘッドフォンでいつも音楽を聞いています。耳の聞こえには影響はないのでしょうか?
A 携帯音楽プレーヤーで長時間連続して大きな音を聞くと難聴になることがあります。
これは音を感知する内耳の細胞が大きな音により障害されてしまうからです。
この内耳の細胞は一旦壊れると再生しにくいため難聴は治らなくなる可能性が高いと言われています。
また同じ音を聞いても個人差があり、体調が悪いと難聴になりやすいと言われております。
ヘッドフォンでは音量をあげすぎないこと、長時間聞かないこと、耳鳴りなどの症状があったらすぐに中止し病院を受診することが必要です。
(2014年10月)
:3歳になる子供のことなのですが、生まれてすぐ耳の検査をした時には異常なしと言われました
先日の3歳児検診の時に難聴の疑いがあると言われました
特にこの3年間に中耳炎など耳の病気は一切していないのですが、難聴になることがあるのでしょうか
A 現在多くの施設で生後すぐに難聴の早期発見の目的で脳波検査を施行しております
乳幼児の難聴の早期発見により早期に補聴器、もしくは人工内耳をつけることにより普通のお子さんと同じように学校に通えるお子さんが多くなりました
一方生後すぐは難聴はないものの3歳くらいのまでの間に難聴になるお子さんもおり、生後難聴がないと安心しているために難聴の発見が遅れる場合があります
多くはウイルス感染によっておこり代表的なものにおたふくのウイルスによるムンプス難聴や、生下時に感染するサイトメガロウイルスによる難聴があります
ムンプスウイルスによるものは通常は片耳の場合が多いので気づきにくいのですが、通常は治すことはできません
またサイトメガロウイルスの場合は両耳の難聴が起こり治療もできないため補聴器ないしは人工内耳などしか方法はありません
言葉の発達に重要な時期である1歳から3歳くらいの間に難聴が放置されると、それ以後に補聴器などを装用しても十分に言葉が覚えられません
ですからまず早めに検査を受けられてはいかがでしょうか
:子供が先日学校の検診で難聴の疑いがあると言われ病院で検査を受けるように言われました
今年から剣道部に入部しているのですが関係ありますか?
A 聞こえは音が耳に入ってくると鼓膜が振動し耳小骨と言われる骨を動かし内耳と言われるところで電気信号に変わります
内耳の細胞は大きな音に弱く爆発音などが耳に入ると難聴を起こし音響外傷と言われます
また仕事などで毎日のように騒音下で作業をすると気づかないうちに難聴になる場合があり騒音性難聴と言われます
剣道などで頭や耳元を竹刀で打たれると衝撃音が耳に伝わり気づかないうちに難聴になる場合があり剣道難聴と言われております
疑わしい場合はまず聞こえの詳しい検査を受け病院では早めに治療をお勧めします
またしばらくは剣道はお休みしてください
:2歳の子供の言葉の発達が遅いのですが、呼びかけても反応の悪い感じがあります
生まれた直後には聞こえは大丈夫と言われておりましたが、聞こえに問題があるのか気になります
早めに病院を受診したほうがいいでしょうか
A 新生児期に聞こえのスクリーニングを行い先天性難聴を見つけ、早めに補聴器などを装着したり、人工内耳の手術をする技術が最近普及してきております
しかし新生児期には難聴がなく、その後1,2年かけて徐々に難聴が進行する場合があり、サイトメガロウイルス感染によるものが有名です
また1,2歳の時期は中耳炎にかかりやすいので、中途半端に治療を中断すると難聴だけが残る場合があり注意が必要です
またおたふくの合併症で、片方の耳が突然全く聞こえなくなることもあります
2歳前後までに補聴器や人工内耳を装着すると言葉の発達に影響は少ないのですが、2歳を過ぎてから補聴器などをしても言葉の覚える臨界期をすぎてしまい、言葉の障害が残ってしまいます
早めに耳鼻咽喉科を受診し検査を受けられることをお勧めいたします
 :小学校1年の子が学校の聴力検査で異常有と言われました
全く気付いていなかったのですが、病院に行った方がいいですか?
 A子供の聞こえの検査は通常新生児期に行われる脳波の検査、3歳児検診、就学前の検診で行われます
生まれつきの難聴の場合、新生児期に発見され両耳ともに日常生活に支障のある聴力レベルであれば補聴器もしくは人工内耳などの補装具が必要になります
3歳児検診でもやはり難聴が疑われた場合には脳波などの検査を行い必要に応じて補聴器などを装着する場合があります
6歳になると大人と同じような通常の聴力検査が可能になってきますので学校で検査を行い異常があれば病院での検査を勧めることになっています
お子さんの場合新生児期、3歳の時には異常を指摘されておりませんので3歳以降の時期に難聴になった可能性が高いと考えます
しかし、難聴を発症して時間が経過してしまうと原因もはっきりしなくなり治療も困難になることが多いのでお子さんの場合も難聴に対しては経過を見ることになるかもしれません
進行性の難聴の場合もありますので定期的に病院で検査をお勧めいたします
 :3歳児検診で難聴の疑いがあるとのことで耳鼻咽喉科受診を勧められました
生まれた直後に脳波の検査をしてもらった時は異常なしと言われたのですが3年で難聴になることはあるのでしょうか
 A出生後に行われる検査で難聴がなくその後難聴が起こる場合があります
一般的なのは中耳炎などによる難聴で、特に痛みがなくても難聴だけが起こる滲出性中耳炎の場合は気づきにくいので注意が必要です
それ以外に有名なのはおたふくかぜの後に起こる難聴です
頻度は低いですが治療法はなく予防接種による予防しか方法はありません
また最近増えてきているのがサイトメガロウィルスによる難聴です
先天性のサイトメガロ感染の場合は脳など様々なところに異常がでるのですが、出生直後は特に異常なく徐々に難聴が進行するタイプもあることがわかってきました
サイトメガロウィルスに対する妊婦の抗体保有率が低下してきているため最近報告例が増えてきており高度な難聴になる場合もあるそうです
いずれにしても一度聴力検査で難聴の確認が必要と思われます
 :昨日急に右耳の聞こえが悪く病院に行ったところ突発性難聴と言われました。
ステロイドを服用して様子見ることになりましたが今の所聴力改善してません。どのくらいの期間かかるのでしょうか。
 A 突発性難聴は読んで字のごとく急に聞こえの悪くなる病気です。
原因は今のところわかっていませんが、おたふくの原因になるムンプスウイルス、もしくは他のウイルスなどの感染による説や耳への血管が詰まって血流が途絶えるために内耳が障害される説などが有力とされています。
ですからステロイドなどで炎症を抑え、他に循環を良くする薬を使ったり高圧酸素治療で内耳に酸素を補給したり様々な治療を行います。それでも治療経過は必ずしも良くはありません。
3分の1は治りますが3分の1は一部の改善にとどまり、残る3分の1は全く治りません。
また難聴は自然に回復することはなく通常一生変わらず続きます。
難聴になってすぐできるだけ早期に治療を開始ふることが重要で1か月を過ぎると改善は難しくなります。
場合によっては入院して治療を行うこともありますので、次回受診時に相談され入院治療も考えてみてはいかがでしょうか。
:今年小学4年生になる子供が1週間前に急に右耳の聞こえが悪くなったと言っております。
病院に行きましたところ、原因不明だが右耳は全く聞こえていないとのことでした。
突発性難聴かもと言われて治療をしましたが結局治りません。どうしたら良いでしょうか?
A 小学4年で突発性難聴とのことですが、おたふくになったり予防接種を受けたりしたことはありますか?
実はおたふくの有名な合併症に難聴があり、1000人に1人と言われております。しかもおたふくにかかっても3分の1は耳下腺などが腫れないために気づかないことがあり、血液検査で初めて診断がつく場合もあるのです。
おたふくを起こすムンプスウイルスは耳下腺と呼ばれる唾液を作る臓器に炎症を起こしますが通常は左右の耳下腺が腫れ、熱や痛みはありますが皆さんはそれほど怖い病気との認識はないのではないでしょうか。
ところがまれではありますが髄膜炎や難聴、精巣や卵巣炎、膵炎など様々な合併症を起こし、難聴の場合は多くは片方の耳がほぼ全く聞こえないレベルにまで悪化します。
治療法はなく残念ながら補聴器の適応にもならず予防接種で予防する以外に対処法はありません。
実は先進国でおたふくがこれほど流行しているのは日本だけで他の先進国では予防接種を積極的に行っておりますのでムンプス難聴の報告はありません。日本のムンプスワクチンの接種率は残念ながら20%代で低迷しています。
ムンプスが流行すると突発性難聴の患者さんが増えると言われておりムンプスの感染による難聴が疑われておりますのでワクチンの普及による対策が望まれます。もしご兄弟がいるのでしたら是非予防接種を受けてください。
:子供が先日学校検診で右耳の難聴を指摘されました。最近おたふくかぜになったのですが関係ありますか?
A.おたふくを起こすムンプスウイルスは耳下腺と呼ばれる唾液を作る臓器に炎症を起こします。
通常は左右の耳下腺が腫れ熱や痛みはありますが、皆さんはそれほど怖い病気との認識はないのではないでしょうか。
ところがまれではありますが、髄膜炎や難聴、精巣や卵巣炎、膵炎など様々な合併症を起こします。難聴の場合は多くは片方の耳がほぼ全く聞こえないレベルにまで悪化します。
治療法はなく残念ながら補聴器の適応にもなりません。予防接種で予防する以外に対処法はありません。
日本ではまだ接種率が低いためおたふくが流行していますが欧米ではほとんどみられない病気となっております。
もちろんムンプスによる難聴のお子さんも日本特有の病気となっております。
大変残念な状況ですが予防接種の普及により難聴のお子さんが出ないように祈るばかりです。
(2016年2月)
:3年程前から検診で高い音の聞こえが悪いので耳鼻咽喉科に受診を勧められております。
職場は機械の音がうるさくて時々耳鳴りはしますが特に日常生活にも不便はありません。受診した方が良いでしょうか?
A.健康診断で行われている聴力検査は簡易的なもので、日常会話で最も重要な音域の1000Hzと機械などの騒音に近い音域の4000Hzの聞こえを調べています。
1000Hz付近が難聴になると自覚症状を感じやすいので病院に受診することが多いのですが、4000Hzの難聴は聞こえが悪いという症状は出にくく、検診で指摘されたり耳鳴りが辛くて病院を受診するケースが一般的です。
騒音による難聴は4000Hzから始まり、徐々に他の周波数にも拡大していきます。
最終的には会話領域も難聴が及んできて初めて難聴に気づくことになりますがその頃には難聴の回復は望めず補聴器などに頼ることになります。
また難聴の進行とともに耳鳴りが強くなりますがこれも治療は困難を極めます。
ですからまず自覚症状のない時期から対策をとらなければなりません。
騒音性難聴と診断されたらまず騒音をできるだけ聞かないことが最も大切です。
とはいえ職場に行かなければなりませんので職場での耳栓の着用が重要となります。
普通の耳栓をすると騒音ばかりでなく会話も聞き取れなくなりますが、最近では騒音の音域をカットし会話音域は音が入るようになった耳栓も市販されておりますので試してみてはいかがでしょうか。
(2015年5月)
:5歳の子供が先日おたふくになったのですが、その後から眩暈と右耳の聞こえが悪くなったと言っております。
中耳炎なのでしょうか?
A.おたふくを起こすムンプスウイルスは耳下腺と呼ばれる唾液を作る臓器に炎症を起こします。
通常は左右の耳下腺が腫れ、熱や痛みはありますが皆さんはそれほど怖い病気との認識はないのではないでしょうか?
ところがまれではありますが髄膜炎や難聴、精巣や卵巣炎、膵炎など様々な合併症を起こします。
難聴の場合は片方の耳がほぼ全く聞こえないレベルにまで悪化します。治療法はなく、残念ながら補聴器の適応にもなりません。
現在も合併症に対しては予防接種しかありません。
比較的軽い病気に思われがちですが予防接種の対象となる病気は基本的に治療法がないものが多いのが現状ですので、是非予防接種を受けてください。
(2016年10月)