アレルギー

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私が花粉症ですが子供に遺伝はしますか?何か発病しないように気を付けることはないでしょうか?

A :
花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎は半分は遺伝要因、もう半分は環境要因で発症するといわれております。ですから子供にも発症する可能性が高いと思います。スギ花粉に対しては最近舌下免疫療法と呼ばれる根治可能な治療が普及しております。北海道でよくみられるシラカバやイネ科といった花粉に対しては欧米ではすでに免疫療法が普及しておりますが日本では患者数が少ないためか免疫療法は認可されておりません。したがって今現在できる治療は症状を抑える薬を内服することになります。シラカバ花粉症では果物アレルギーを合併しやすいために花粉の季節以外にも注意が必要になってきますし、イネ科の牧草は牛の肥料になりますので酪農をされている方がイネ科の花粉症になってしまうと非常に重症になってしまいます。まず幼少期にダニが原因のアレルギー性鼻炎を発症しアレルギーを治療せず放置して悪化することで花粉症が発症してきます。その予防としてダニアレルギーに対して免疫療法を行いアレルギー反応を抑えることで他のアレルギー、すなわち花粉症の発症が予防できるという報告がなされてきております。また免疫療法を行うことで喘息の発症も予防できるといわれております。ダニアレルギーを持っている方は花粉症になる前にきちんと治療されるとよいでしょう。

花粉症は治りますか?

A:
花粉症は残念ながら治る可能性は低いと言われております。20代から30代で屋外で活動する方に花粉症が多いと言われておりますが最近は低年齢化で10代のお子さんも増えてきております。一般に50歳を過ぎると免疫力が落ちるとともに花粉症も治る場合があります。それまでは花粉症の季節がきたらお薬で対処するしかありません。症状が起きてからあわてて薬を飲むのではなく、症状のおきる少し前から服用してください。本州で見られるスギ花粉は飛散量も非常に多く飛散期間も2,3カ月に及び治療も大変ですが釧路の花粉の飛散時期はそれほど長くはありません。日本で有数の花粉の少ない地域ですので治らないからとあきらめずお薬で対処してください 。

先日病院でアレルギー検査を受けたところ猫アレルギーと診断されました。猫が大好きで2年前から飼い始めておりまだ小さいのでしばらく飼い続けるつもりです。薬を飲むしかないと言われましたが続けた方が良いでしょうか?

A:
ペットアレルギー室内のアレルギーではよく見られダニ、ハウスダストよりも症状が強く出やすく注意が必要です。ひどくなると喘息なども合併し重症化することもあります。そのため飼い続けるのであれば薬は続けておくほうが良いと思います。こまめにお掃除をしてフローリングやじゅうたんなどについている猫の毛などを取り除くのも重要です。また最近では猫のアレルギーの原因物質を減らすペットフードが発売されており効果が期待されております。もしかすると薬が必要なくなるくらいにアレルギー物質が減るかもしれません。

アレルギー性鼻炎に魚がいいと聞きましたが本当ですか?

A: 魚や肉には脂肪酸と呼ばれる体に大事な栄養素が含まれております。我々が日常摂取する食用油は大豆油、コーン油などに含まれるオメガ6脂肪酸であるリノール酸が、亜麻仁油やえごま油に含まれるオメガ3脂肪酸であるリノレン酸が含まれております。オメガ6脂肪酸の取りすぎはアレルギーの悪化因子と言われており、一方オメガ3脂肪酸はDHAやEPAと呼ばれる物質に体内で変化してアレルギーや炎症などを鎮静化させると言われております。肉などにはオメガ6脂肪酸が多くふくまれるためどちらかというとアレルギー性鼻炎を悪化させ、逆に魚にはオメガ3脂肪酸が多く含まれており、魚はアレルギー性鼻炎には適した食べ物と言えるのではないでしょうか。普段使う食用油も少し気にしてみてはいかがでしょうか。

子供がアレルギー性鼻炎で先日検査を受けましたところダニのアレルギーといわれました。家での掃除、布団を洗うことなどを言われましたが一応やっているつもりです。どの程度必要なのでしょうか?

A:
ダニアレルギーで最も重要なのは布団です。床などにいるダニの10倍以上が布団の中に潜んでおり特に布団を上げ下ろししている場合には居間のダニの量の100倍以上に跳ね上がります。ダニの不透過カバーというものが市販されており寝具のすべてにつけることにより喘息の場合ですが発作回数が半減したとのことです。また受動喫煙も非常に重要で受動喫煙のある子供ではない子供と比較してアレルギーが悪化しているとの報告があります。また他にHEPAフィルター付きの空気清浄機も有効とのことです。ダニアレルギーの患者さんでは室内のカビによりアレルギーが悪化するといわれておりカビ対策も重要です。他にペットアレルギーの方は飼育中止しない限り改善はなく飼育をやめてもしばらくペットのアレルゲンは室内に残留し続けると言われております。このように様々な環境整備を行うことでアレルギー症状をコントロールできますが家の事情でなかなか難しい場合にはダニのアレルギー体質自体を治してしまう免疫療法という治療もあります。どの方法が自分にマッチするのかよく検討してみてはいかがでしょうか。